心に床の間はあるのかい?
「気にするな」「気にせずやれ」「気にしないでいこう!」
このように声をかけられた時、
本当に「気にしない」状態になれたことがあるだろうか。
「気にしないでいこう」と声をかけてくれる人も
「気になること」の存在には気づいている。
このように声をかける時、内心は
「正直気になるけど、まったく気にせずにできたら
そんな幸せなことはないよな!」
といったニュアンスではないだろうか。
「気にしない」
いろんなことを気にしているからこそ
喜び、怒り、哀しみ、楽しむのが人間。
気にせずにはいられない中で、
「なるべく気にしない」ようにするにはどうしたらいいのか。
東京大学大学院 情報学環 客員教授で
佛母寺の住職 松原正樹さんの著書
『心配ごとや不安が消える「心の整理術」を1冊にまとめてみた』(アスコム)では
このように書いている。
感情や思考にとらわれないことが、心を安定に近い状態に保つためには必要
感情や思考は、あぶくのようなもの。本来であればすぐに消えてなくなる。
それなのに私たちはわざわざあぶくをすくい上げ、
消えないようにあれやこれやと手を尽くしてしまうからややこしくなる。
湧き上がってくる感情はコントロールできなくとも、
それをあっさり手放すという形でコントロールしていくことができるようになる
わざわざ「あぶく(気になること)」をすくいあげない、あっさり手放す。
気にすることに慣れている私たちはこれを実践した時
「え?いいの?」と思ってしまうのではないか。
私たちはきっと、あらゆることで「手放す」ことに慣れていない。
手から離れる事、自分の元から離れる事を惜しんでしまう。
それゆえ「不安」すらも手放せない。
体への「痛み・苦しみ」は一刻も早く手放そうとする一方で、
わきあがってくる感情は握りしめてしまう。
「あくび指南」という落語がある。
いろんなシチュエーションの「あくびの仕方」を教えてくれる、
不思議な習い事の噺。
もし「(感情の)手放し指南」があったら
習いに行きたい人も多いのではないだろうか。
この本でもう1つ印象に残っている箇所がある。
「心に床の間を持つ」というくだりだ。
床の間は、ひとことで言えば、和室の余分な場所。余分があるからこそ落ち着きと穏やかさが生まれる。
思えばあのスペースは、なんでもない場所。
パワースポットの逆「パワーないスポット」だ。
なんでもない場所で、なんでもない時を過ごす。
現代人にとってもはやこれは修行、いや「苦行」に近いかもしれないが、
案外やってみると、発見があるのかもしれない。
すでに登録済みの方は こちら