一流と超一流の違い
ボールを持っているときに仕事ができる選手は一流。
ボールを持っていないときにも仕事ができる選手は超一流
元・サッカー日本代表で、2003年から現役生活18年のすべてを
川崎フロンターレで過ごした中村憲剛さん。
35歳まで、チームは準優勝ばかりで「シルバーコレクター」と呼ばれ、
自身も2010年に日本代表に選ばれたものの
「Jリーガー」としては何も手にしていない状況。
選手寿命の平均が25~6歳と言われるJリーグの中で
中村選手が輝きを放ったのは、「35歳」を過ぎてからでした。
2016年(36歳)…JリーグMVPを獲得(史上最年長)
2017年(37歳)…J1でリーグ戦初優勝
2018年(38歳)…J1で2連覇達成
2019年(39歳)…ルヴァンカップで初優勝
39歳になってから最初の公式戦で「前十字靭帯の断裂」
2020年(40歳)…10か月ぶりに実戦復帰し、誕生日に「バースデーゴール」を決める。
Jリーグ記録の「12連勝」を達成。
さらに、3回目の「優勝」(Jリーグ史上最速)
12月21日引退セレモニー
MVP、初優勝、連覇、大怪我、引退という怒濤の5年間を過ごしました。
「ラストパス 引退を決断してからの5年間の記録」は引退の翌年、
2021年に上梓された本です。
スポーツの世界では一流、二流、三流を比較した表現をよく聞きます。
プロ野球ではヤクルト阪神、シダックス、楽天で監督をつとめた野村克也氏の
「人間は無視、称賛、非難という3段階で試される。三流の人間は相手にされず、
二流の人間はおだてられるだけ。一流と認められて初めて非難されるんです。」
という言葉が有名です。
ビジネス書では「三流ならこうするが二流ならこうする」
「しかし一流ならさらにこんなことができる」
「そして超一流ともなると、こうするのだ!」という
それっぽい文言が並ぶのですが、野村監督の言葉は
「その人が三流か二流か一流かは、
”その人が何ができるか”ではなく、見る人々の反応で決まる」というもの。
人を評価する時のひとつの基準が見える言葉です。
中村憲剛さんはさらにその上の世界「一流と超一流」の違いを書きました。
サッカーを追求していくと、自分の立ち位置に周りが呼応してくれることで、
チームを助け、相手を困らせることができることを知った。
と話しています。
ボールを持っていない時、「彼がそこにいるということは……」と
まわりの選手たちが呼応して、それがチーム全体の躍動を生む。
「もっとも効率化された最適解」を表現、体現できることが超一流だということ。
「天才」がひとりいても効率化されない、
組織が思ったよりも機能しないというのはよくあることです。
中村さんの説をとればその原因は、
その人が「天才ではあるが、超一流ではないから」と言えるかもしれません。
フィールドにいるプレイヤーで、
相手選手を含む全体を動かしてしまうというのは
まさに超一流のなせるわざ。
「フィールド外で全体を見られる人が
状況を把握して指示を出し、
そこではじめて全体が最適解を理解して動く」
という流れが本来の形でしょう。
しかし、サッカーはそのスピード感では遅すぎる、
というところでしょうか。
どんな職種でも
「サッカーのようなスピード感」を
求められることがあると思います。
普段「持ち時間9時間の将棋」のような
じっくり腰を据えて働いている仕事も、
月に一度、数ケ月に一度は
「まるでサッカー」のような瞬発力、
とっさの判断力が求められる日もある。
体力も判断力も衰えていく選手生活の最晩年で、
輝かしい5年間をプレーした中村憲剛さんの視点と感覚は、
間違いなく「中高年をどう生きるか」のヒントになります。
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