この3年の間に起きたことが予言されていた!

藤代裕之 著「フェイクニュースの生態系」(青弓社)
ミラッキ 2026.02.12
誰でも

「フェイクニュース」という言葉を最初に聴いたのはいつか、

例のごとく思い出せない。「デマ」とは何が違うのか。

情報化社会、SNS社会になって「増えた」ものなのか。

誰も立ち止まって検討しないその歴史と

フェイクニュースはどこから来て、どこへ行くのかを追った本

「フェイクニュースの生態系」(青弓社)によると

「フェイクニュースと偽情報の歴史をまとめた手引き」によるとその歴史は「古代ローマ」までさかのぼる。紀元前44年ごろ、
オクタウィアヌスが政敵の評判を失墜させるために、偽情報キャンペーンを展開した

十九世紀末のアメリカでは、発行部数を争う新聞社が、
読者の注目をひくために扇情的な話題や偽情報を発信した。

ソーシャルメディア時代になり、フェイクニュースという言葉が広く浸透したのは
2016年のアメリカ大統領選挙以降

ソーシャルメディア時代とマスメディア時代でもっとも異なるのは
「誰もが気軽に発信できるようになったこと」

とのことで、偽情報の類は今に始まったものではなく、

「人類の歴史と共にある」と言えることがよくわかる。

そして、フェイクニュースという言葉が広く浸透して今年で10年だ。

著者は、法政大学社会学部教授・ジャーナリストの藤代裕之さん。

フェイクニュースを「ニュースの生態系の汚染」

「環境汚染問題」のようにとらえて本を書きあげている。

フェイクニュース問題解決の道を探るには

「汚染物質の解明と排出源の特定」が出発点になるとし、

ソーシャルメディアの情報を集約してマスメディアに紹介する

ミドルメディア(ニュースサイト、まとめサイト)が、

実態不明のネットの反応を組み合わせてフェイクニュースを作ることを指摘。

この、ミドルメディアがマスメディアとソーシャルメディアの共振を引き起こし、

それぞれの場所で話題が循環されることで汚染は深刻化するとしている。

また、この「汚染対策」とともに山に木を植える=良いニュースを増やすことも大事

と提言している。

フェイクニュース対策として

「批判的思考」を身に着けることを良しとする流れがあるが

「信頼できる情報源」の真ん中が存在しない社会において、

「批判的思考」というのは自分の信念を強化する方向に働き、

むしろ逆効果になる可能性があること。

さらに、3年前の段階で

「疑う」ことを教える教育が過度なメディア・既存体制不信と結びつき、自分の信念を強化する偽情報や陰謀論、極端に党派的な情報を信じる流れを強化するのでは。

と指摘していた。この3年間、まさにこのとおりのことが起きてしまった。

進んでしまった時計の針はもう戻らない。

それでも書籍は残り、往時の状況と予測が記されている。

「フェイクニュースの生態系」(青弓社)

今こそ手に取ってもらいたい。

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